本社の移転が決まると、取引先などへのお知らせを、挨拶状・メール・ホームページのどれで、いつ、どんな文面で出せばよいのかを決めなければなりません。
結論から言うと、本社移転のお知らせには日頃のお礼・移転日・新住所・業務開始日を書き、移転の1か月前を目安に相手に届くよう、代表者の名前で挨拶状を送ります。あわせて、日頃やり取りしている担当者にはメールで、会社をよく知らない人にはホームページでも知らせるのが基本です。
この記事では、お知らせに書く項目、送る相手と手段の使い分け、送る時期の目安を説明したうえで、挨拶状・メール・ホームページのそれぞれで使える例文を紹介します。挨拶状の用意を挨拶状の達人にお任せいただく方法や、差出人の住所・祝花の辞退・公的な届出など、作るときに迷いやすい点にもお答えします。
本社移転のお知らせに記載する項目

本社移転のお知らせに書く内容は、どの手段でも必ず書く基本項目(日頃のお礼・移転日・新住所など)と、あわせて書き添えたい項目に分けられます。
というのも、本社が移ると、取引先は請求書などの送り先や登録している住所を直す必要があり、知らせ漏れや連絡の遅れがあると、行き違いが起きるおそれがあるからです。相手が問い合わせなくても手続きを済ませられるだけの情報をそろえましょう。
必ず記載する基本項目
必ず書くのは、日頃のお礼、移転の報告(移転日)、新住所・電話番号・FAX番号、業務開始日、今後のお願いの5つです。さらに地図や最寄り駅からの道順を添えると、初めて訪ねてくる人にも新しい場所が伝わります。
| 書き方の例 | |
|---|---|
| 日頃のお礼 | 平素は格別のお引き立てを賜り 厚く御礼申し上げます |
| 移転の報告(移転日) | 「さて この度弊社は 下記の住所に本社事務所を移転する事となりましたので ご案内させていただきます」に、移転日を書き添える |
| 新住所・電話番号・FAX番号 | 「本社 〒000-0000 〇〇市〇〇区〇〇0丁目0番0号」 「TEL 000-000-0000」 「FAX 000-000-0000」 |
| 業務開始日(営業開始日) | 「〈営業開始日〉 令和00年00月00日(〇)」 |
| 今後のお願い | 「今後とも倍旧のご支援とお引き立てを賜わりますよう宜しくお願い申し上げます」 |
| (5つに加えて添えるとよいもの)地図・最寄り駅からの道順 | 地図を載せ、「※〇〇駅から徒歩00分、〇〇駅から徒歩00分」のように書く |
なお、挨拶状にする場合は、記書きの最後に最寄り駅から何分かかるかを1行入れておくと親切です。
あわせて書き添えたい項目
基本の項目に加えて書き添えたいのは、変わらない連絡先、休業日や電話がつながらない日時、登録住所の変更のお願いの3つです。中でも本社の移転では請求書などの送り先が変わるため、登録住所の変更をお願いする一文は特に入れておきましょう。
まず、電話番号・FAX番号・メールアドレスが変わらない場合も、「変更はございません」と書いておくと、相手は登録を直すかどうか迷いません。たとえば、次の文例のように書き添えます。

次に、休業する日や、回線工事などで電話がつながらない日時も書き添えておけば、相手はその日を避けて連絡できます。
最後に、登録住所の変更のお願いには、請求書・納品書の送り先も挙げます。書き添える一文は、たとえば次のとおりです。
お手数ではございますが 請求書・納品書のご送付先とご登録住所のご変更をお願い申し上げます
本社移転のお知らせを送る相手と、挨拶状・メールの使い分け

お知らせを送るのは、顧客・取引先・協力会社など、業務で関わるすべての相手です。会社としての正式なお知らせは代表者の名前で出す挨拶状で送り、メールは略式なので、日頃やり取りしている担当者への連絡か、挨拶状と合わせて送る使い方にとどめます。
送る相手は業務で関わるすべての取引先・関係者
具体的には、顧客や取引先だけでなく、仕入れ先や協力会社も含めた、業務で関わるすべての相手が送り先です。知らせ漏れがあると、請求書などの重要な郵便物がきちんと届かず、行き違いが起きるおそれがあります。
そこで、宛先は名刺の束だけに頼らず、請求先・支払先の台帳や各部署の取引先の一覧からも集めるのが確実です。各部署の担当者に、自分の取引先に漏れがないかを確かめてもらうと、送り忘れを減らせます。送付先の洗い出し方と選び方は、移転の挨拶状を送る相手の選び方で紹介しています。
正式な通知は「挨拶状」、事前の連絡や略式は「メール」
挨拶状は会社として出す正式なお知らせなので、差出人は代表者にするのが基本です。メールは略式の連絡なので、日頃やり取りしている担当者に先に知らせたり、親しい取引先に知らせたりするのに向きます。ただし、略式の連絡を好まない相手や格式を重んじる相手には、メールだけで済ませずに挨拶状も送ります。挨拶状の中でも、長く取引のある相手や重要な相手には封書を送り、一般の取引先や社内関係者などには、はがきを使う方法もあります。
| 手段 | 位置づけ | 向く相手 |
|---|---|---|
| 挨拶状(封書) | 正式なお知らせ(差出人は代表者) | 長く取引のある相手、重要な相手 |
| 挨拶状(はがき) | 書面のお知らせ(差出人は代表者) | 一般の取引先、社内関係者、一部の協力先 |
| メール | 略式の連絡 | 日頃やり取りしている担当者、親しい取引先 |
| ホームページ | 会社をよく知らない人にも向けたお知らせ | これから取引が始まるかもしれない人など |
使い分けを決めたら、送付先の一覧に「封書」「はがき」「メール」の列を作って相手ごとに印を付けておくと、送り漏れや二重の送付を減らせます。
■監修者のコメント
封書かはがきかは、相手との関係に加え、これまでのやり取りや相手先の慣習も踏まえて選びましょう。長年お世話になっている取引先など、節目にあらためて感謝を伝えたい相手には、封書で丁寧にご挨拶するのもよいです。
どちらを選ぶ場合も、宛名の確認は大切です。以前の送付先リストをそのまま使わず、会社名や部署名、役職に変更がないか確かめておきましょう。特に、お名前の漢字は見落としたくないところです。会社名は「(株)」と略さず正式名称で記し、会社や部署宛てには「御中」、個人宛てには「様」を使います。「御中」と「様」は併用しません。
本社移転のお知らせを送る時期の目安

挨拶状を相手に届ける目安は、移転の1か月前です。送付先の整理や文面作り、印刷には時間がかかるため、移転の2か月ほど前から準備を始め、移転日から逆算して投函する日を決めておきましょう。
準備の流れは、次のとおりです。
- 送付先を集める
- 文面を作る
- 印刷を頼む
- 投函する(相手に届くのは移転の1か月前が目安)
なお、挨拶状の達人では、事務所移転の挨拶状は遅くとも移転の1か月前には相手に届けるのがマナーと考えています。
■監修者のコメント
移転のお知らせは、相手が住所変更などの手続きをする時間も考えて届けましょう。会社によっては、担当者が案内を受け取ってから、経理や総務へ連絡し、登録情報を変更する場合もあります。余裕を持って知らせることが相手の負担を減らします。
特に、移転の前後に納品や打ち合わせを予定している相手には、挨拶状とは別に担当者から直接伝えておくと安心です。案内が直前になってしまった場合は、まず電話やメールで必要な情報を知らせ、挨拶状にも「ご案内が遅くなりましたことをお詫び申し上げます」と一言添えましょう。
この目安に間に合うよう、移転日からさかのぼって「相手に届く日」「投函する日」「印刷を頼む日」をカレンダーに書き込み、それぞれの担当者を決めておきましょう。企業と店舗での時期の違いや、送るのが遅れたときの対処は、移転の挨拶状を送る時期と遅れたときの対処で紹介しています。
本社移転のお知らせを「挨拶状(はがき・封書)」で送る場合の例文

挨拶状は「拝啓」で始めて「敬具」で結び、句読点を使わずに書くのが一般的です。新住所・電話番号・業務開始日などは本文に入れず、「記」の下にまとめます。
■監修者のコメント
挨拶状で句読点を省く慣習には、「お祝い事やお付き合いに区切りをつけない」という縁起を担ぐ意味があるといわれています。本社移転という節目に、今後も変わらぬお付き合いを願う気持ちを重ねると、慣習も身近に感じられますね。句読点の代わりに一字空けや改行を使い、読みやすく整えましょう。
また、頭語と結語には決まった組み合わせがあり、格を合わせて使います。「拝啓」には「敬具」、より改まった「謹啓」には「謹白」などを合わせます。本文だけでなく、書き出しと結びもそろえることで、書状全体が整います。
また、差出人は代表者にします。文面は、住所だけが変わる場合の基本の形に、電話番号の変更や旧本社の扱いなど、自社の状況に合う一文を足して使うと便利です。
挨拶状の書き方の決まりと文例は、会社移転の挨拶状の書き方とマナーでも紹介しています。
基本の例文(住所のみ変わる場合)
住所だけが変わる場合は、本文に日頃のお礼、本社を移転する報告、今後のお願いを書き、記書きに新住所・電話番号・FAX番号・業務開始日と、地図や最寄り駅からの道順をまとめます。
挨拶状の達人でご用意している本社事務所の移転の文例は、次のような仕上がりです。

自社の内容に置き換えて使える例文は、次のとおりです。
※文例では、正式な挨拶状の慣習に合わせて句読点を省略しています。
拝啓 〔時候の挨拶〕 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
平素は格別のお引き立てを賜り 厚く御礼申し上げます
さて このたび弊社は 〔移転日〕より 本社を下記へ移転することとなりました
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう お願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちましてご案内申し上げます
敬具
〔差出日〕
〔会社名〕 代表取締役 〔氏名〕
記
新住所 〒〔郵便番号〕 〔新住所〕
電話番号 〔電話番号〕
FAX番号 〔FAX番号〕
業務開始日 〔業務開始日〕
〔地図〕
※〔最寄り駅〕から徒歩〔分数〕分
以上
〔 〕の部分は自社の情報に置き換え、時候の挨拶は投函する時期に合う季語を選びます。なお、季語を入れない場合は、時候の挨拶を省いて「拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」のように書き始めます。
電話番号・FAX番号も変わる場合の例文
電話番号やFAX番号も変わる場合は、本文で番号が変わることを知らせ、登録の変更をお願いする一文を入れたうえで、記書きに新しい番号を書きます。書き換えるのは、基本の例文のうち「さて」から記書きまでです。
さて このたび弊社は 〔移転日〕より 本社を下記へ移転することとなりました
あわせて 電話番号とFAX番号も下記のとおり変更いたします
お手数をおかけいたしますが 請求書や納品書のご送付先とご登録の住所 電話番号 FAX番号のご変更をお願い申し上げます
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう お願い申し上げます
(中略)
記
新住所 〒〔郵便番号〕 〔新住所〕
新電話番号 〔新しい電話番号〕
新FAX番号 〔新しいFAX番号〕
業務開始日 〔業務開始日〕
※〔日時〕は回線工事のため 電話がつながりません
以上
挨拶状の達人の文例でも、次のように住所録の変更のお願いと新しい番号を入れています。

また、電話がつながらない日時は、先ほどの例文のように記書きの最後に1行書き添え、メールアドレスなど変わらないものは「変更はございません」と書いておきます。
旧本社を支店や営業所として残す場合の例文
旧本社を支店や営業所として使い続ける場合は、その旨と旧住所での連絡先を書き添えると、相手はどちらに連絡すればよいか迷いません。こちらも、基本の例文の「さて」から記書きまでを、次のように変えます。
さて このたび弊社は 〔移転日〕より 本社を下記へ移転することとなりました
なお 旧本社は〔支店名〕として 引き続き営業いたします
ご用件に応じて 下記の連絡先をご利用くださいますよう お願い申し上げます
(中略)
記
新本社 〒〔郵便番号〕 〔新住所〕 電話番号 〔電話番号〕
〔新本社が受け持つ業務〕
〔支店名〕(旧本社) 〒〔郵便番号〕 〔旧住所〕 電話番号 〔電話番号〕
〔支店が受け持つ業務〕
以上
記書きには、請求書の送り先や地域の窓口など、それぞれが受け持つ業務を1行ずつ書いておくと、相手は用件ごとに連絡先を選べます。
本社移転のお知らせを「メール」で送る場合の件名と例文

メールは略式のお知らせです。送るときは、件名を見ただけで移転の案内だと分かるようにし、宛名を入れて1件ずつ送ります。宛先やCCに取引先を並べて一斉送信すると、ほかの取引先のメールアドレスが見えてしまうためです。文面は、担当者には要点を箇条書きにした短いもの、代表者など改まった相手には挨拶状に近い丁寧なものにします。
件名は「【本社移転のお知らせ】社名」など一目で分かるものにする
件名には「【本社移転のお知らせ】株式会社〇〇」や「本社移転のお知らせ(株式会社〇〇)」のように用件と社名を入れ、受信一覧を見ただけで移転の案内だと分かるようにします。件名から用件が読み取れないメールは、ほかのメールに埋もれやすいからです。
また、電話番号も変わる場合は、「本社移転および電話番号変更のお知らせ(株式会社〇〇)」のように、変わるものを件名に並べます。
取引先の担当者へ送るメールの例文
日頃やり取りしている担当者へのメールは、名乗り、移転の報告、新住所・電話番号・業務開始日の箇条書き、変わらない連絡先、休業日、結びの順に、要点だけを短く書きます。
件名:本社移転のお知らせ(株式会社〔会社名〕)
〔取引先の会社名〕
〔部署名〕 〔氏名〕様
いつもお世話になっております。
株式会社〔会社名〕の〔氏名〕です。
このたび弊社は、〔移転日〕に本社を移転することとなりましたので、ご案内いたします。
新しい本社の所在地と連絡先は、次のとおりです。
・新住所:〒〔郵便番号〕 〔新住所〕
・電話番号:〔電話番号〕
・FAX番号:〔FAX番号〕
・業務開始日:〔業務開始日〕
なお、メールアドレスに変更はございません。
また、移転作業のため、〔休業する日〕は休業いたします。
ご不便をおかけいたしますが、今後ともよろしくお願いいたします。
〔署名〕
あわせて、担当者本人の直通の電話番号が変わるかどうかも書いておくと、相手が連絡先を直すときに迷いません。
改まった相手へ送るメールの例文
代表者や付き合いの長い相手へのメールでは、日頃のお礼と今後のお願いを丁寧に書いたうえで、メールでの連絡になることへの断りを入れ、正式な挨拶状を後日送ることを書き添えます。正式なお知らせは書面の挨拶状で、メールは略式の連絡だからです。
件名:本社移転のお知らせ(株式会社〔会社名〕)
〔取引先の会社名〕
〔役職〕 〔氏名〕様
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
株式会社〔会社名〕の〔氏名〕でございます。
さて、このたび弊社は、〔移転日〕をもちまして本社を下記へ移転することとなりました。
これを機に、社員一同より一層業務に励んでまいりますので、今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
・新住所:〒〔郵便番号〕 〔新住所〕
・電話番号:〔電話番号〕
・FAX番号:〔FAX番号〕
・業務開始日:〔業務開始日〕
メールにて恐縮ではございますが、取り急ぎご案内申し上げます。
後日あらためて書面にてご挨拶申し上げます。
〔署名〕
■監修者のコメント
改まった相手の場合、メールで先に知らせる際には、「まずはメールにてご案内申し上げます」と一言添えると丁寧です。「後日、書面にて」とお伝えしたら、挨拶状の手配も忘れずに進めましょう。移転準備で慌ただしいときほど、誰に何を送ったか記録しておくと安心です。
送信は、相手の業務時間内を目安に。早朝や深夜に作成した場合は、予約送信を活用する方法もあります。
また、改まったご案内では、BCCでまとめて送るよりも、宛名を入れて一件ずつ送るとよいでしょう。日頃のお付き合いへのお礼を一文添えると、定型文だけでは伝わりにくい感謝も届きます。
本社移転のお知らせを「ホームページ」に載せる場合の例文

ホームページのお知らせは、これから取引が始まるかもしれない人など、会社をよく知らない人も読みます。そのため時候の挨拶は省き、移転日・新住所・業務開始日・最寄り駅などの要点を見出しのすぐ下に置いて、トップページのお知らせ欄など目に留まりやすい場所に載せます。
たとえば、次のような形です。
本社移転のお知らせ
〔移転日〕より、本社を下記へ移転いたします。
・移転日:〔移転日〕
・新住所:〒〔郵便番号〕 〔新住所〕
・電話番号:〔電話番号〕
・FAX番号:〔FAX番号〕
・業務開始日:〔業務開始日〕
・最寄り駅:〔最寄り駅〕から徒歩〔分数〕分
〔地図へのリンク〕
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。
あわせて、会社概要やアクセスのページの住所も同じ日に書き換えましょう。旧住所が残っていると、読んだ人がどちらが正しいのか迷ってしまうためです。
本社移転のお知らせ(挨拶状)の注文は「挨拶状の達人」へ

挨拶状の達人では、事務所移転の文例からお選びいただき、自社の内容に書き換えてご注文いただけます。地図の挿入や、宛名印刷・封入・投函の代行も承っています。そのため、移転の準備で手が回らないときでも、期日までに挨拶状を届けやすくなります。
挨拶状の達人は創業70年の印刷会社として、300種類の文例をご用意しています。そのうち事務所移転の文例は11件です。地図の入った二つ折カードや、写真を入れた案内もあります。
オプションには、地図挿入・ロゴ挿入・宛名印刷・封入代行・切手貼り代行・料金別納・投函代行・カラー印刷をご用意しています。実際に本社移転の挨拶状を注文したお客様からは、次のような声をいただいています。
初めて挨拶状を送るため不安でしたが、HPから簡単に入稿でき、ポスト投函まで代行して頂けたので、本社移転で忙しい中手間がかからず大変助かりました。またお願いします!!(T様)
注文するときに気をつけたいのが、出荷までの日数です。宛名印刷を頼むと4営業日後、校正印刷・封入投函・切手貼りを頼むと5営業日後の出荷になり、大部数の注文や繁忙期は日数が延びる場合があります。投函したい日から出荷までの日数をさかのぼって、余裕を持って注文しておきましょう。
本社移転のお知らせに関するよくある質問

お知らせを作るときに迷いやすい、差出人の住所、祝花などのお祝いの断り方、FAXでの連絡、お知らせのほかに必要な公的な届出の4つに答えます。
参考:法務局「よくあるご質問等<商業・法人登記関係>」、国税庁「異動届出書の記載要領等」
はがき・封書の差出人住所は、旧住所と新住所のどちらがよいですか?
一般的には、移転前の旧住所を差出人の住所にします。ただし、移転日の直前に届く場合は新住所にします。
移転の1か月前を目安に届くよう送るなら、投函する時点ではまだ旧住所で仕事をしていることがほとんどです。そのため、新住所は記書きで知らせます。
祝花などのお祝いを辞退するときは、何と書けばよいですか?
祝花などを受け取らない場合は、お知らせの末尾に辞退する一文をあらかじめ入れておきます。相手がお祝いを用意する前に伝わるので、余計な気を遣わせずに済みます。
書き方は、たとえば次のような一文です。
誠に勝手ながら 祝花等のご厚志は謹んで辞退させていただきます
具体的には、結びの挨拶の直前か、記書きのあとに入れます。なお、挨拶状の場合は、ほかの文面と同じく句読点を使わないのが一般的です。
■監修者のコメント
お祝いを辞退するときも、相手のお心遣いを大切にする姿勢は忘れずにいたいですね。辞退を伝えていてもお祝いが届いた場合は、社内の規定などで受け取れない事情がなければ、ありがたく受け取り、早めに電話やお礼状で感謝を伝えましょう。
落ち着いてから、新社屋のお披露目の場へお招きするのも、お礼の一つの方法です。私も何度かお披露目のパーティーに招いていただきましたが、新しい場を拝見できるのはうれしいものです。日頃なかなかお会いできない方々との交流の機会にもなり、印象に残っています。大がかりな会でなくても、顔を合わせて感謝を伝える時間を持てるとよいですね。
取引先へFAXでお知らせを送ってもよいですか?
FAXでも移転を知らせることはできますが、メールと同じく略式の連絡になります。正式な案内は、あくまで挨拶状です。
急ぐ相手には、郵送より早く届くFAXで先に知らせ、あとから挨拶状を届けます。
本社を移転したら、お知らせのほかにどのような公的届出が必要ですか?
登記上の本店も移す場合は、法務局への本店移転の登記と、税務署への異動届出書などの提出が必要です。登記には期限があり、株式会社が本店を別の登記所の管轄へ移したときは、移転の日から2週間以内に登記しなければなりません。
税務署へは、法人の納税地が変わったことなどを、異動届出書で所轄の税務署長に届け出ます。また、給与を支払う事務所が一緒に移る場合は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出も必要です。
なお、同じ登記所の管轄内での移転も含め、必要な書類や手続きの細かい点は、法務局と税務署で確かめておきましょう。
まとめ:本社移転のお知らせは1か月前を目安に、相手に合う手段で届けよう
本社移転のお知らせには、日頃のお礼・移転日・新住所・業務開始日を書き、移転の1か月前を目安に相手に届くよう、代表者の名前で挨拶状を送ります。あわせて、日頃やり取りしている担当者にはメールで、会社をよく知らない人にはホームページでも知らせておきましょう。
まずは送付先の一覧で相手ごとに使う手段を決め、移転日からさかのぼって準備の日程を組みましょう。挨拶状では新住所などを「記」の下にまとめ、変わらない連絡先も「変更はございません」と書いておけば、移転後の行き違いを防ぎやすくなります。
